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解説
アフガニスタン中央部、バーミヤン谷の崖に彫られた高さ約55mと約38mの二体の立像を、土の衣と彩色、630年ごろに玄奘が見た谷、約750の石窟と油彩の壁画、失われていた顔から、2001年3月に空になった龕、破片を守る保存の仕事、2021年の光の投影までたどります。
場面(11場面)
- 序バーミヤンの谷
- 6〜7世紀二体の大仏
- 西大仏55mの立像
- 造りと色土の衣
- 630年ごろ玄奘が見た谷
- 石窟崖の750の部屋
- 油の絵石窟の中の壁画
- 顔失われていた顔
- 2001年空になった龕
- 保存破片を守る
- いま/謎空の龕と光
事実と創作の区別
確か説・推定わかっていない
仏教の人々にとっての信仰の場であり、アフガニスタンの人々の遺産として扱います。仏の姿は龕の中の簡単な形だけにし、顔は描きません。破壊は資料にある事実だけを伝え、爆発の様子は描かず、像のある姿と空の龕を切り替えて示します。彩色・僧院・石窟の並びは推定の模式で、壁画は写さず自分で描いた模様です。人の姿は描いていません。
出典
- S1UNESCO世界遺産センター「Cultural Landscape and Archaeological Remains of the Bamiyan Valley」(登録番号208rev。8つの構成資産、基準 i・ii・iii・iv・vi、大仏55mと38m、2001年3月の意図的な破壊)
- S2UNESCO世界遺産センター「List of World Heritage in Danger」(バーミヤン渓谷は2003年、登録と同時に危機遺産へ)
- S3UNESCO世界遺産委員会「State of Conservation 2024: Bamiyan Valley」(決議46 COM 7A.37。2021年8月の変化で作業停止、2023年2月から日本・イタリアの事業の一部が再開、危機遺産のまま)
- S4M. Nagaoka「The Future of the Bamiyan Buddha Statues – Evolving Conservation Ethics and Principles…」(M. Nagaoka 編『The Future of the Bamiyan Buddha Statues』Springer/UNESCO、2020年、pp.3–15。日本の支援、2011年の専門家会議の勧告、2013年の東の龕の工事、2017年の東京の会議)
- S5M. Bouchenaki「Safeguarding the Buddha Statues in Bamiyan and the Sustainable Protection of Afghan Cultural Heritage」(同書、2020年、pp.19–30。2001年2月26日の命令、2月28日のユネスコ事務局長の声明「true cultural disaster」、インド・日本・スリランカの働きかけ、3月9〜11日の破壊)
- S6B. Praxenthaler・M. Beckh「Safeguarding and Preservation Activities at the Giant Buddhas and Other Monuments in the Bamiyan Valley 2004–2017」(ICOMOS の作業。同書、2020年、pp.31–49。礫岩、土の上塗り、杭と縄、彩色の分析)
- S7谷口陽子 Y. Taniguchi「Cultural Identity and the Revival of Values After the Demolishment of Bamiyan's Buddhist Wall Paintings」(同書、2020年、pp.51–70。約750の石窟、約50に壁画、8割以上が失われた)
- S8ミュンヘン工科大学(TUM)報道発表「Bamiyan Buddhas: Reconstruction possible?」(2011年2月25日。E. エマリング教授。ETH チューリヒとキール大学の年代測定:小さい像544〜595年、大きい像591〜644年、彩色の順、破片約1,400個)
- S9ウィーン大学 WHAV「Bāmiyān, 38m Buddha niche」(ICOMOS 2009, p.235 による年代544〜595年、西大仏から約800m、顔が縦に削がれ金彩の痕)
- S10ウィーン大学 WHAV「Bāmiyān, 55m Buddha niche」(ICOMOS 2009, p.235 による年代591〜644年、杭に縄を巻いたひだ)
- S11M. Petzet 編『The Giant Buddhas of Bamiyan: Safeguarding the Remains』(ICOMOS Monuments and Sites XIX、2009年。C. Blänsdorf ほかの放射性炭素年代を収録。本文は取得できず、S9・S10 の引用(p.235)と S8 で確認)
- S12ESRF(欧州シンクロトロン放射光施設)ニュース「Oil paintings in Bamiyan」(2008年4月21日。東京文化財研究所・C2RMF・ゲッティ保存研究所・ESRF。壁画で飾られた50の石窟のうち12で油彩、7世紀半ば)
- S13M. Cotte ほか「Applications of synchrotron-based micro-imaging techniques to the chemical analysis of ancient paintings」(Journal of Analytical Atomic Spectrometry 23(6)、2008年、p.820〜。共著に谷口陽子)
- S14京都大学人文科学研究所 KAAMA「West Grand Buddha(Cave 620)」(崖の高さ約80m、龕の高さ58m・底の幅21m、像55m(フランス隊は53m)、上塗りは最大約8cm、顔は削がれている)
- S15京都大学人文科学研究所 KAAMA「East Grand Buddha」(龕の高さ40m・底の幅15m、像38m(フランス隊は35m)、天井の太陽神の壁画、顔は削がれている)
- S16宮治昭「バーミヤーン石窟壁画と年代について」(名古屋大学年代測定総合研究センター。名古屋大学の測定で壁画の下地のわらは450〜850年ごろ、ドイツ隊による大仏の暫定値も紹介)
- S17東京文化財研究所「西アジア諸国等文化遺産保存修復協力事業」2006年度報告(I窟・N(a)窟で壁画の保存修復を本格的に開始)
- S18東京文化財研究所「西アジア諸国等文化遺産保存修復協力事業」2008年度報告(石窟から出た樺皮の仏典断片約600点の保存修復、客員研究員に前田耕作)
- S19外務省『外交青書2003』コラム(前田耕作と2002年の日本・ユネスコ合同ミッション、日本の70万ドルの信託、壁画の8割が失われた)
- S20筑摩書房 著者紹介「前田耕作」(1933年生、アフガニスタン文化研究所所長、2003年以降バーミヤン遺跡の保存・修復事業に携わる)
- S21M. Rod-ari「Bamiyan Buddhas」(Smarthistory、2015年。玄奘の記述の英訳、顔の仮面説と後世の破壊説)
- S22Al Jazeera「Afghan Buddha in virtual return, 20 years after Taliban destroyed」(2021年3月10日。3月9日の夜「A Night With Buddha」、サルサルの3D映像を龕に投影)
- S23玄奘『大唐西域記』巻一「梵衍那国」(646年成立。大正新脩大蔵経 T2087、CBETA)
- S24Wikipedia「Buddhas of Bamiyan」(補助。土地の呼び名、玄奘の訪問日、破壊の始まり)
- S25UNESCO世界遺産センター「Bamiyan Valley: Maps」(構成資産208-001「Bamiyan Cliff」の代表点 N34°50′48.99″ E67°49′30.89″。崖全体の代表点で、龕の位置そのものではない)
- S26京都大学人文科学研究所 KAAMA「ceiling of the niche of the western great Buddha」(1972年の写真。位置情報 34.8307, 67.8236)