時空ツアー 36 · 物語と仮想の層 · 物語の部屋 · 事実の表
アトランティス 事実の表
プラトンが『ティマイオス』と『クリティアス』に書いた島の都を、原文の寸法から組み立てるツアーの調査台帳です。物語の中のことと、本や研究など現実のことを分け、それぞれに印と出典を付けています。日本語はすべて、ギリシャ語原文とパブリックドメインの英訳をもとにした言い換えです。
層 物語と仮想の層部屋 物語の部屋本文 『ティマイオス』20d〜25d /『クリティアス』108e〜121c年表の目安 前360年ごろ(対話篇が書かれた時期・説)原文の置き場所 ヘラクレスの柱の外(目印:ジブラルタル海峡 35.97, −5.5)更新 2026-10-23
はじめに:主流の研究では、アトランティスはプラトンが哲学の話のために作った物語とみられています。実在の遺跡は、どこでも確かめられていません。このツアーは「原文に何が書いてあるか」を形にするもので、島が実在したと言うものではありません。
物語の中のことを示す印
- 原文にそう書いてある
- 対話篇の本文に書かれていること。物語として書かれている、という意味で、史実だと言っているわけではありません。
- 解釈
- 単位の換算、言葉の読み方、後世の人の読み解きなど、見方が分かれるもの。
- 描かれていない
- 本文に書かれていないもの。画面ではこの部分を想像の模式として示します。
現実の世界のことを示す印
- 確か
- 写本、出版物、発掘や調査の記録などで確かめられること。
- 説・推定
- 書かれた年、単位の長さ、着想のもとなど、研究者の見方として示すもの。
- わかっていない
- 手がかりがなく、答えが出ていないもの。
本文の箇所は、ステファヌス版のページ番号(例:116a)で示しました。英語はジョウェット訳(1871年)で確かめ、ギリシャ語原文で照らし合わせています。日本語はどれも短く言い換えたもので、現代の日本語訳からの引き写しではありません。1スタディオンは地域や時代によって違う(おおむね150〜210mと推定)ため、約185mは目安の換算です。「原文にそう書いてある」は物語の中の記述であることを示す印で、出来事が史実かどうかを判断するものではありません。
ナレーションなし・テロップのみ。1場面12〜16秒、全11場面で約2分30秒の試作版です。切替で「原文の寸法どおり」と「後世の想像(解釈)」を選ぶと、場面によってテロップも変わります。
原文の寸法どおり
『クリティアス』113c〜118e の数字による
- 陸の環2つ、水の環3つ。幅は外から3・3・2・2・1スタディオン原文にそう書いてある
- 中央の島は直径5スタディオン。全体で直径27スタディオン原文にそう書いてある
- 運河は長さ50スタディオン、幅300フィート、深さ100フィート原文にそう書いてある
- 白・黒・赤の石。壁は青銅・錫・オリハルコン原文にそう書いてある
- ポセイドンの神殿は長さ1スタディオン、幅はその半分原文にそう書いてある
- 平原は3000×2000スタディオン、溝は長さ1万スタディオン原文にそう書いてある
- 家並み、神殿の柱や屋根の形、石の模様描かれていない
後世の想像(解釈)
ドネリー以後の絵や説、テラ島説など
- 環の上に家や塔をぎっしり建て並べた都の姿解釈
- ギリシャ風の柱が並ぶ神殿解釈
- オリハルコンを伝説の光る金属とする解釈
- 大西洋に沈んだ大陸(ドネリー、1882年)解釈
- 数字を10分の1に読み替えて、テラ島に合わせる解釈
- テラ島の大噴火の記憶を話のもととみる解釈
原文の環の寸法(断面の模式)
横の長さは寸法の比どおり(運河だけ縮めて描いています)。高さは見やすくするための模式です。
ツアーでは同じカメラ位置のまま、2つの見せ方を切り替えられます。「後世の想像」の側に出てくる建物や塔は、原文にない想像の模式です。映画・ゲーム・アニメの絵柄は使っていません。
プラトンの本文はパブリックドメインです。現代の日本語訳(岩波文庫など)は著作権のある訳文のため、引用していません。
2026-10-23
事実の確認(第三者の見直し):56項目とテロップをジョウェット訳・ギリシャ語原文の箇所番号と照らし直した。直したのは、マリナトスがアトランティスと結びつけた年(1939年の論文は噴火とミノア文明まで、アトランティスとの結びつけは1950年)、スタディオンの幅(約150〜210m)、プルタルコスの時代、ガラノプロスの読み替え説の出典(フィンリーの書評)、換算値の印。
2026-10-23
試作:3DCGのツアーを作成(ガイド/自由に歩く、「原文の寸法どおり」と「後世の想像(解釈)」の切替、6種類の印の表示、出典、録画モード)。環・運河・壁・神殿を原文の寸法の比で組み、神の像と人物は描かないことにした。
2026-10-23
台本:全11場面。場面ごとに原文側と解釈側のテロップを用意し、最後の場面で「主流の研究はプラトンの創作とみる」とはっきり示した。
2026-10-23
調査:ジョウェット訳の『ティマイオス』『クリティアス』、ギリシャ語原文、プルタルコス『ソロン伝』、ドネリーの原本、フロストの論文、テラ島噴火の年代研究、考古学者の解説を確認し、事実の表を作成。
2026-10-23
企画の芯:物語と仮想の層・物語の部屋の作品。印は「原文にそう書いてある/解釈/描かれていない」と「確か/説・推定/わかっていない」の2組。現代の日本語訳は引用せず、すべて自分の言葉で言い換えると決めた。